女性の4人に1人はかかる子宮筋腫

子宮壁にできる良性の腫瘍

初経を迎えた女性の約4人に1人は、子宮筋腫を患うことが分かっています。子宮筋腫とは、子宮壁にできる良性の腫瘍であり、早期に治療すれば完治する疾患です。

子宮筋腫について、特に注意したいのが、妊娠を考えている女性です。子宮筋腫が原因で、不妊や流産を繰り返してしまう女性も少なくありません。

身体に異変を感じたら、早めの受診をおすすめ致します。

子宮筋腫が疑われる症状

• 貧血になりやすい
• 月経痛がいつもより強い
• 頻尿になった
• 便秘しやすくなった　など

筋腫が大きくなる（筋腫が増える）など、患者様によって症状は異なります。
中には「症状が全く出ない」というケースもあるため、定期的な検診が理想的です。

子宮筋腫へのフォロー

内診・検査・診断

内診をすることで、腹壁から子宮全体の形や大きさを把握することができます。
その後、超音波検査などを実施し所見を併せて診断させて頂きます。

手術による治療

検査・診断によって、「子宮筋腫がある」という方でも、痛み等の症状がなく、筋腫のサイズが小さければ、特に治療の必要はありません。ただし、定期的に検診を受けて頂き、経過観察させて頂く必要があります。

• 筋腫のサイズが大きい
• 閉経後の増大する腫瘍
• 症状を伴う（不整出血など）

以上に該当する場合は、悪性の子宮筋腫が疑われ、手術による根本的治療が必要となります。

薬物療法について

• 手術を迎えるまでの貧血の改善
• 筋腫の縮小
• 閉経までの対症療法（閉経が近い方が対象）
  →閉経を迎えると筋腫は増大しないため

以上を目的とした、薬物療法を行う場合も御座います。

患者様の症状と筋腫の状態を確認しながら、治療方法をご案内させて頂きますので、まずは早めにご相談ください。

痛みのコントロールが大切

子宮内膜症とは

子宮内膜症は「子宮内膜という組織」が、子宮の外（卵巣、腹膜など）で増えてしまう病気です。良性の病気なので命にかかわるような重篤な症状になることはありませんが、痛みのコントロールをしながら、閉経まで気長に向き合っていく必要があります。

本来、子宮内にできる子宮内膜組織は、月経時に月経血として体外に流れ出ます。しかし、子宮以外の場所で増殖してしまった子宮内膜組織は、出ていくことができません。

腹腔内に子宮内膜組織が留まってしまった結果、

• 炎症
• 痛み
• 癒着（ゆちゃく）

の原因を作り、場合によっては「不妊の原因」になることもあります。

子宮内膜症が疑われる症状

• 年々、月経痛の痛みが増している
• 月経時、吐き気・めまいの症状がある
• 月経時、鎮静剤を飲んでも痛みが治らない
• 鎮静剤の量がだんだん増えてきた
• なかなか妊娠せず、不妊症の疑いがある　など

子宮内膜症は、月経を繰り返す中で進行していく病気です。

気になる症状や違和感・不快感がある方は、一度、当院までご相談ください。

子宮内膜症の治療方法

女性のライフステージに合わせた選択を

子宮内膜症の治療法としては、

• 手術療法
• 薬物療法

以上の２つが選択されます。

患者様の「症状・年齢」や「ライフプラン」によって、最適な治療方法は異なります。
（例：妊娠・出産を今後希望するか、など）

痛みのコントロール

痛みがある場合、痛みを緩和させる目的で薬物療法による対症療法を行います。
薬物療法で十分な効果が得られない場合は、ホルモン剤を使用した内分泌療法を行います。

薬物療法と内分泌療法、どちらも対症療法であるため、「病気の進行を抑える」「病巣を小さくする」という効果しか期待できません。完全に治す事は難しいです。
定期的に医療機関を受診しながら、経過観察することが大切です。

手術という選択肢

• 対症療法では痛みのコントロールができない
• 腫瘍（卵巣チョコレート嚢胞）がみられる
• 腫瘍が5〜6cm以上である
  → がん化が多くなる

以上の場合は、手術を考慮していきます。

患者様の症状とライフステージに合わせて治療方法をご案内させて頂きますので、まずは早めにご相談ください。